TerryのDM日和

主にDMEDH

クソの変遷

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 ※本記事はクソです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・はじめに

 DMGP6thにて、参加賞を貰った上でDMEDHが沢山したいという我が儘を受け入れてチームを組んでくださり、その上あろう事かこのデッキをDMGP6thにて使用させていただいたチームメイトのお二人にはこの場を借りて改めて感謝の意と、そして謝罪の意をここに表します。

 

 

 

 

 

 

・出会い

 2017年10月下旬。私は浮かれていた。非常に浮かれていた。京都で10月14日に開催されたDMGP5thにてBest128という記録を残したのだ。握ったデッキは白緑メタリカだった。本戦1回戦でプロモを獲得したことの嬉しさから集中力を欠いて、恥ずかしさの極のようなプレミをかましたことと、本来DMEDHオフ会くらいのつもりで行ったものの全くそれが出来なかったという事への後悔の念はあったものの、サイバーダイス・ベガスのプロモが10万円に姿を変え、それを元手にゴールデン・ベストを7箱も買っていた。ただひとえに欲のままに剥き、そしてジョーカードを廃品回収していた。

 そうして暫くしたある日、私はひとつのデッキに出会った。

     ーシュート・デリートー

 それはいつも通っている店の店長が、ミラダンテⅫに対抗できるオールデリートを作ろうとしたことが始まりだった。記録は残っていないが、たしかこのようなリストだったと思う。

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 5色にすることでデッド=ブラッキオを採用し、そこからプチョヘンザに革命チェンジする防御パッケージを採用したことでロージアダンテに対しても5割に近い勝率を、そして安定した受け性能が寄与してか、ドギラゴン剣、ジョーカーズに対しても五分五分の勝負を見せ、墓地ソースなんぞは殆ど攻略できないほどの強さを見せた。

 しかし、私が惹かれたのは偶然の産物がたまたま手にしたそこそこの強さではなかった。ゴールデン・ベストで登場したドラグシュート・チャージャーからラスト・ロマノフまで繋ぎ、そしてオールデリートでゲームを終わらせる、早ければ5ターン目に始まるその挙動、皆が口を揃えて「10連ガチャデリート」と呼んだその限りなく高いエンターテイメント性にこそ、私は惹かれていたのだ。

 だが、まだ私はこのデッキを組むには至らなかった。エリア代表戦があるからだ。年末までには使うリストを練り上げ、パーツを集めなければならない。

 

 

 そんなこんなで年末になり、エリア代表戦は予選落ち、1週間後の京都DMEDH交流会に参加して、2018年を迎えた。デリートのことなどすっかり頭から抜け落ちていた。

 

 

 

 

・俺のシュート・デリート

 年が明けて、1月末。新たな殿堂発表、そして誕ジョー!マスター・ドルスザクが発売された。龍装チュリス、ジョジョジョ・マキシマム。そんな現在も環境のど真ん中を突き進むカード達の中で1枚、自分の心を躍らせる1枚を見つけた。

    ー唸る鉄腕 ギリガザミー

 なんという興奮。なんというロマン。このカードは超次元ガード・ホールとの組み合わせで圧倒的な耐久が可能ではないか!ドロマー超次元、殊更に超次元ガード・ホールを愛して止まない自分が、このカードを使おうとしないわけがなかった。

 そこでふと甦った記憶。似た興奮を最近味わった気がした。そう、シュート・デリートだ。このギリガザミを組み込んだ新たなシュート・デリートの開発に、自分はのめり込んだ。

  このギリガザミは特段シュート・デリートとの相性が良いというわけではない。オールデリートを直接発射することはできないし、ましてやドラゴンというわけでもない。ただ、そこにあったのは1つの興味・欲望。純粋にこのカードと、そしてシュート・デリートというパッケージを併せ持ったデッキが作りたいというだけなのだ。作る前から薄々感づいてはいた。このオリジナルのシュート・デリートには敵わない。だが、体が止まらないのだ。ソウルがシャウトしている。心が躍る。白緑メタリカは殿堂によって崩壊することが容易に想像できたので、仮想敵をジョーカーズとドギラゴン剣に絞り、取り憑かれたようにデッキを練り続けた。

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 そうして、このようなリストが出来上がった。シュート・デリートの基本パッケージ、「禁断+オールデリート+ドラグシュート+ロマノフ」に加えて、ワーグナーという新たな呪文発射台を搭載し、ここへギリガザミ+ガードホールを導入。ギリガザミからのドラグシュートが腐りにくくするように、またギリガザミを高確率で踏ませることが可能になるように、リンガールを添えた。ジョーカーズには、特に新たな殺人兵器:ジョジョジョ・マキシマムにはギリガザミが有効札であったため、ギリガザミからカウンターで唱え、盤面を虚無にできるドルマゲドン・ビッグバンを続投した。このリストは当時のジョーカーズに微有利、そして台頭してきたジャバランガ・ループに対してもお清めトラップの導入によって微不利程度に押さえ込むことが可能になった。そして龍装チュリスの登場によって形が大きく変わった赤青剣に対しても、五分五分の試合展開が可能だった。しかし・・・

 

 

 ドラグシュート・チャージャーが撃てないのだ・・・

 

 

 根本的な問題だった。これはギリガザミ型ではない、オリジナルのシュート・デリートに関しても同じことだった。マナを伸ばし、オールデリートを手打ちするゲーム展開が圧倒的に増えていた。この原因は明白で、今まで以上に圧倒的な早さで動くドギラゴン剣が登場したためである。これにより殆どのデッキに軽量の踏み倒しメタ、すなわちオニカマス等が投入され始め、増殖していた。それによってドラグシュート・チャージャーも例外なく制限されていたのだ。

 そして。2018年3月11日。デュエマ日本一決定戦。この日、あの情報を目撃した私は、目を疑い、活力を失った。ジョジョジョ・マキシマムに対して、ギリガザミは呪文を唱えることができなくなってしまったのだ。これによって、このギリガザミ型のシュート・デリートはジョーカーズに対して為す術が無くなった。さらに、追い打ちは止まらない。

 ドロマーミラダンテⅫが止まらないのである。ロージアを規制された新たな殿堂施行後も、未だにピンピンして何食わぬ顔で戦い続けているのだ。ドロマーミラダンテⅫにはテック団の波壊Go!が搭載されており、禁断が狙われてしまう。さらにデッド=ブラッキオ+プチョヘンザのパッケージを切り離した今、皮肉なことにもこのシュート・デリートはドロマーミラダンテⅫが天敵となってしまった。

 膝から崩れ落ちた。沢山の時間を費やしてきたが、これではシュートクソだ。元からギリガザミを導入した時点でかなりピーキーなデッキになってしまってはいたが、戦えてはいた。しかしこれがファンデッキの定めだ。限界だ。きっとフェアリー・ギフトが殿堂したとき多くのユーザーが感じた絶望感と同じ物を、自分はこのとき感じていたのだろう。

 しかし切り替えなければいけない。自分はこの時点で、次のDMGP6thに行くことが決まっていた。DMEDHのデッキのレート化に参加賞のメメント守神宮が必要だった。そこでチームの皆で環境外のデッキを使うこと、前回できなかったDMEDHをやりまくること、これを目標にしていた。ならばデリートを練り続けなければいけない。

 

 

 

 

 ・迷走

 数日後、自分はあるものを思い出した。某YouTuberが紹介していた天門デリートなる代物だ。これは殿堂解除によって4枚使用が可能になった龍仙ロマネスクをヘブンズ・ゲートから複数体射出することでマナを大幅に伸ばし、そのままデリートを唱えてフィニッシュするといったコンセプトのデッキだった。再び魂のエンジンは動き始めた。ギリガザミなどと言うクソはかなぐり捨て、自分の大好きなバイオレンス・ヘブンVerの銀枠ヘブンズ・ゲートを4枚揃え、これをシュート・デリートと融合させた。

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 ドラグシュート・チャージャーを撃つ機会が減ってしまった以上、このシュート・デリート機構そのものがデッキの足を引っ張っているという事実と向き合う必要があったため、断腸の思いでそれらのパーツを数枚削り、この天門ロマネスクギミックに枠を譲った。さらに、ガンバトラーG7の登場でますます勢いづいてきたジョーカーズに対抗するため、そして火文明の枠を確保するため温泉 湯あたり地獄を投入。ロマネスクが再投入されたことで自動的にプチョヘンザが入り、軽量ブーストの排除と天門の存在からデッド=ブラッキオをカーネルに変更した。様々な局面に対応できるよう、元は3枚目のプチョヘンザだった枠はクリスタル・メモリーになった。

 ドギラゴン剣にはシールドの天門を信じてロマネスクとプチョヘンザを握りしめるプレイング、ジョーカーズには何が何でも温泉で溺死させるというかなり極端なプレイングを取るようになったが、どれも微不利くらいにはなっていた。プレイの博打感とデリートが決まった時の爽快感に握り始めた最初の1週間は心を躍らせたが、徐々にこれにも失望が見え始める。

 

 やはりドラグシュート・チャージャーが撃てないのだ。そして勝てない。

 

 こんな簡単なことも予見できない程には、既に脳が半壊していた。そもそも天門デリートというコンセプトは、大量ブーストからの早期手打ちオールデリートなのだ。シュート・デリート機構と噛み合うはずがない。さらに戦法が無茶すぎてオリジナルが作られたあの頃のような安定感がない。

 これではいけない。少なくとも勝てるデリートを作らなければ。焦りはもはやシュート・デリート機構そのものさえかなぐり捨てたデリートさえ作り出してしまった。

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 これはデュエランドや青軸ミラダンテ、今ではシャコガイルなどで使われている青単カウンターのギミックを主軸に、そしてテック団に弱かった禁断の特性を、VV-8を建ててからオールデリートをすることで改善するという、もはや何がしたいのか訳が分からない代物だ。ジョーカーズ、ドギラゴン剣に対する勝率はそれは勿論改善したが、このデッキには圧倒的に足りない物があるのだ。

 

 ー博打感ー

 

 俺はデリートで勝ちたいんじゃぁない。相手が思いもよらぬ奇想天外な方法で、そして圧倒的に運が絡むプロセスを経た後、オールデリートが飛び出てくる様が見たいのだ。それをシュート・デリート機構は可能にした。だが、もはやシュート・デリート機構は息をしていない。為す術がなかった。

 

 

 

・天運

 そんなこんなしている内に、双極編第1弾が発売した。自分はどこかで罪悪感のような物を感じながら、圧倒的強化されたメ統をぶん回していた。DMEDHに逃げてしまっていた。あと数週間でGP6thというのに握るデッキさえ決まらない。在りし日のオリジナル型に戻して回しても、息を引き取ったギリガザミの屍をつぎ込んでも、銀色に輝くヘブンズ・ゲートを使っても、全くピンと来ない。新しい発想もいくらか出てきた。ホーリー+ボントボルトの防御パッケージでジョーカーズを潰す。轟破天+ハリンセンでデリートを撃つ、etc...。どれもだめだ。時間と活力だけがすり減り、とりあえず関東に行く準備を進めていた。

 シュート・デリート機構を内蔵した中では最もマシな挙動をする天門型を使用するべきなのだろうという半ば諦めにも近い境地に至り、いつものようにカードショップに行き、とあるカードを見つけた。

 ー天運ゼニスクラッチ

 これの4枚セットがあることを知り、店長にとりあえず取り置いて貰った。もはやオールデリートで博打をすることに限界を感じた私は、GP6thでオールデリートを使い収めて、見るからに博打カードなゼニスクラッチのデッキを作って脳を溶かしてやろうと考えたのだ。ソウルはシャウトしなくなっていた。心は踊らなくなっていた。オールデリートに対する熱意は枯れ果てていた。

 そしてやってきたGP6thの1週間前、私は若干風邪を引いていた。長い長い大学生の春休みで鈍った体が再開した学校生活についていけていない事に加え、やはりオールデリートに魂が蝕まれていた。月曜に学校が早く終わり家に帰った私は、風邪っぽさを誤魔化し本調子ではない中、癒やしを求めてゼニスクラッチの構築を考えていた。保管している多色・無色用のストレージの内、6コスト以上のカードを収納している1つを取り出し、おもむろに所持しているゼニスを眺めていた。

 

 そこに、彼はいた。半年前、7箱も購入したゴールデン・ベストに、やはり全ての箱から例外なく出現した7枚の同名カードが。

 

 ー超絶奇跡 鬼羅丸ー

 

 目が覚めた。心が躍る!いや、心がたぎる!ソウルがギュイーンとシャウトしている!風邪など言っている暇ではない。急いでカードショップに向かった私は、取り置いていたゼニスクラッチ4枚を購入して家に帰った。ラッキーダーツはBBP版が1枚所持している。星龍の記憶も超BBP版がいくつかあるはずだ。デッキリストは自然に浮かぶ。考えるな、感じろ!クソデッキはフィールの鮮度が何より大事なんだ!次々に浮かぶ必要なパーツを家のストレージから抜き出し、いくつかの持っていないカードを裏向きにしてリストの写真を撮り、翌日、火曜の朝にチームのグループトークに貼り付けた。

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 チームメイトからファントムベールの存在を聞きつけた私は、学校終わりに再びカードショップに向かい、足りないパーツとファントムベールを購入した。このリストから改良を加え、もう一人のチームメイトに最終的に足りなかった「俺」の頂 ライオネルをGP当日に持ってきて貰いたい旨を伝え、そして迎えたGP6th。

 個人成績、1-4!しかも1勝は不戦勝である!しかしこのデッキを握った事に対する後悔の念は全くなく、いやむしろ清々しかった。実際にGPで使ったリストがこれだ。

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 このデッキでやりたいことは至極単純である。右手を光らせ、圧倒的な運によってオールデリートをぶっ放すのだ。基本的なパーツはダーツデリートだが、このデッキの目的は勝利ではない。博打だ。動きとしては、星龍の記憶+ベンゾ、もしくはファントムベールによって盾を砕き、オールデリート、ゼニスクラッチ、鬼羅丸等を捲っていく。鬼羅丸を捲ったらあとはトップ3枚にデリートがあることを祈るだけだ。もし無くても鬼羅丸には全体S・A化能力もあるので最悪殴れば良い。相手に禁断があるなら相手のターン中にオールデリートを撃てば良いのだ。心配は要らない。ゼニスクラッチにはS・トリガーがついている。博打に持って行くまでに負けては意味が無いので、初動の安定のためにロジック・サークルを、さらにキルターンの高速化、盾の把握用にラッキーダーツを導入している。

 

 

 

 とまあ自分に理解できるところはこの辺りまでで、採用理由を語れるほどにこのデッキは理解できていない。というか全く理解に至らない。疲れ果てた心に一瞬よぎったフィールによってのみ構成されているからだ。絶望的なまでの勝率の低さだが、なぜかこれがクセになってしまうのである。

 GPが終わった後も練り続け、現在は自分のオールデリートの原点となったギリガザミを導入したものになっている。

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 ロジック・サークルを切った事で勝率の低さに磨きがかかってているが、ギリガザミ+ガード・ホールの防御ギミックを導入できて私は満足である。さらに手札に抱えたゼニスクラッチをギリガザミのSSTから飛ばすこともできるので、役割がないわけでは無い。ブライゼナーガを使えばギリガザミをさらに有効活用することができるので、お好みで入れてみるのも面白いかもしれない。

 

 夏のクロニクル・デッキにはスクラッチデリート待望の新規ゼニスが出る。噂によれば光文明だそうで、このデッキの色事故という慢性的な問題を解決するきっかけになってくれると嬉しい限りである。

 

 

 

 

・最後に

 twitterのアンケートでスクラッチデリートに投票してくださった方、ありがとうございます。全然期待はずれの物かもしれませんが、スクラッチデリートに関して自分の書きたい事を詰め込んでいったらただの昔話&自分語になってました。冷静に考えたらこのデッキまるで理解ができなかったぜ。サーセンっした!

 

 

以上!